第17章 念と洗礼と200階突入!
「ズシが宿で待ってます。君も一緒に修行するといいでしょう」
「……いや、いいや」
「え?」
「ぬけがけみたいでやだからさ。ゴンが約束守れたら一緒に始めるよ」
なにこの熱い友情は!
おねーさん泣けてくるよ!
ウイングさんはキルアにゴンへの伝言を頼み、またあの優しい顔に戻った。
うん、あなた絶対そっちの顔の方がいいよ!
「……あ、さん!」
「え?」
あわててキルアを追いかけようとしたら、ウイングさんに呼び止められる。
え、私個人で呼ばれるの初じゃね!?
「な、なんですか?」
「あなたも一緒に念の修行をしましょう。基礎的なところは完璧に見えますが、よく見ると扱い方が中途半端ですから」
おおお!すごい!
私の中途半端な念を見抜いたよこの人!
「どうですか?」
「やります!いやぁ、ホントによく分からないまま念使ってたんでありがたいです」
「それは良かった」
あ、いまの笑顔マジ癒しですウイングさん。
なんか笑顔がゴンに似てるなこの人。
「あ、でも私もゴンが約束守れたらにします」
「えぇ。それは私も結構ですよ」
頭をぽんぽんと撫でられる。
「…あなたは、常にあの二人を見守り、強く思う優しい人です。あの二人が無茶をしないように、なんとか支えになってあげて下さい」
「………」
………………なにこの人ホレそう←
って思ってたのも次の質問で抹消された。
「……ところで、さんはいくつなんですか?まだこんなに小さいのに口は達者だし、念を覚えてるし…」
「17です」
「え?」
「17です」
「…………」
「…………」
それから数日後、ゴンの部屋で談笑中にウイングさんがたくさんのケーキを持ってきてひたすら謝られたのを私は忘れない。