第5章 黒尾鉄郎
それからというもの、俺はふらりと彼女のアパートに寄るようになっていた。
貴「いらっしゃ~い」
黒「おじゃましま~す」
彼女が用意してくれた夕食を食べながら今日あったことを話す。他愛のない話でも彼女がいるだけで十分に楽しい。それに料理が抜群にうまい。彼女と暮らすと毎日こんなうまい飯が食えるんだなぁと想像する。
食後二人でソファーでくつろぐ。俺は彼女の膝の上に頭を乗せテレビを見る。
貴「鉄朗君、今日あまえたさんだね」
黒「うん、つばささんの膝枕最高」
貴「それはどうも」(笑)
余りの気持ちよさに、半分目を閉じてウトウトする。
ピンポーン
チャイムが鳴る。
貴「んー、こんな時間に来るなんて誰だろ」
彼女は玄関に出た。そしてドアチェーン越しに会話をしているようだが、様子がおかしい。