第5章 黒尾鉄郎
次の日思い切って彼女に連絡を取ってみた。
貴「鉄朗君は肉と魚とどっちが好き?」
黒「ん。魚」
じゃあ、といって連れてこられたのは表通りから外れた居酒屋で魚料理がどれもうまかった。彼女の商談もうまくいったようで、少しお酒を飲んでいた。
彼女はお酒には強くないようで、たった1杯の日本酒でふらふらになってしまった。俺は彼女を背負いアパートまで送っていった。
貴「ごめんねぇ、鉄郎君。昨日の商談、初めてうまくいったんだ。きっと鉄郎君のおかげだよ。ありがとう」
アパートに着くとお茶でもどうと誘われた。かなりおいしいシチュエーションだが、あって間もないのにガツガツするのはみっともないと、理性を働かせ、また今度と、その日は帰った。