第4章 西谷 夕
GW最終日、ゴミ捨て場の対決、音駒との練習試合は鳥野の全敗でおわった。帰り道を二人で歩く。
西「・・・おまえさ、合宿の時、力に言われたか?あいつは・・・いい奴だぞ」
貴「な、なんで夕兄が知ってるの?」
西「力が俺にそう話してたから。・・・俺はお前がいいんなら・・・」
夕兄の言葉に私は我慢できなくなり涙がボロボロでてきた。
貴「縁下先輩には断ったよ。私が夕兄の事好きだってことも知ってて、気持ち伝えてくれたの。なのになんで、そんなこと言うの。私、もう妹じゃいやだよ、夕兄のバカ!!」
私は走りだそうとしたが、夕兄に腕をつかまれ後ろから抱きしめられた。
私の頭は完全に混乱していた。
西「おちつけ、俺の話を最後まで聞けよ。もう、俺もお前の事、妹なんて思ってない。でも、力はいい奴だ。お前があいつを選ぶなら仕方ないって思ったんだよ。それにお前可愛くなりすぎだ。他の奴もお前の事見てんだぞ」
貴「私が好きなのは夕兄だよ!夕兄こそ潔子先輩じゃないの?!」
西「あれは、その高嶺の花というか・・・お前らだってアイドルとか俳優にキャーキャー言うだろ。そんな感じだ」
貴「ホントに?」
西「本当だ。それに約束も思い出した。そのうち俺がちゃんとした石の付いた指輪買ってやるから、今はこれで我慢しとけ」
後ろから右頬に手が添えられ後ろを向かされたと思ったら、夕兄の唇と私の唇が重なる。
西「つばさ好きだ」
貴「夕兄・・・」
西「もう妹じゃないだろ。名前で呼べよ」
貴「・・・夕・・・大好き」
西「おう!」
夕は満足そうに笑った
夕が私の手を取り歩き出す。私は幸せな気持ちで家に帰った。