第30章 lovesickness 3 (月島 蛍)
つばさsaid
私が目を覚ましたのはもう夕方で月島君はいなかった。不思議と頭に霞がかかっていたのがクリアになっているような気がする。
ドアがノックされ、真帆と菜摘が来てくれた。菜摘がやたらと可愛い服を着ている。
貴「菜摘今日、洋服可愛い。どっか寄って来たの?」
菜「え?!やっぱりわかる」
真「だって、デートだったもんね」
貴「そっかー、足かけ3年片思いの彼とのデート実現?!おめでとう!!」
真「・・・つばさ、何で片思い3年って分かったの?」
貴「え、だってマラソン大会の時に言ってたじゃない?」
菜「そうじゃなくて、あんた記憶もどったの?!」
真「マラソン大会、事故の前だったじゃん!!この話入院中してないよ!!」
急いでナースを呼び医師に診てもらう。両親や兄も来て大騒ぎだった。医師も記憶も戻っているようだとの見解だった。
記憶を無くした人の中には記憶が戻ると、記憶を無くしていた間の事を忘れてしまう人もいるらしい。
だけど、生憎と私はその間の記憶も残っていた。つまり私は二人から告白された記憶があるということだ。
私は二人に自分の気持ちを伝えなければいけない。
特に月島君に関しては顔から火が出そうだ。これでもう2回も抱きしめられている。それに今日もイヤって言うか、むしろ抱きしめられ嬉しかったというか・・・。
音楽の趣味が合うからなんだろうか、月島君と居るとそのままの自分でいられる感じは。きっとあの感覚は月島君への想いだったんだ・・・。