第30章 lovesickness 3 (月島 蛍)
そしてあの時と同じように彼女は僕の腕の中で泣いた。これから先、彼女を守るのは僕でありたい。僕は腕の力を強めた。
月「この前は守れなくてごめん。でも、これからは必ず僕がつばさを守るから」
貴「つ、月島君は私の彼氏だったの?」
月「・・・違うよ。でも僕は君の事をずっと想ってた」
つばさは耳まで真っ赤になった。こんなところは変ってないんだな。
貴「今、そういってもらってもよくわからない・・・。でも不思議と月島君にこうしてもらっていると、恥ずかしいけどなんだか落ち着いてくるの。それにいつも持ってきてくれるCDを聞いてたら嬉しくて、楽しくて、懐かしくて・・・」
月「そう、それならよかった。じゃ、もう少しこのままでいいよね?つばさ」
貴「・・・うん」
暫くそうして抱きしめているとつばさは泣き疲れたのか僕の腕の中で眠ってしまった。
僕は彼女をベッドに寝かせる。いつの間にか額の傷があった場所もすでに綺麗に治っている。その場所をそっと触り彼女のサラサラの髪をなで額に口づける。
月「つばさ、おやすみ」
僕は病室を後にした。