第28章 lovesickness (月島 蛍)
月島said
パァッと表情が明るくなった桜井の目と僕の目が合う。こんな無邪気な笑顔を向けられるのも初めてで。
・・・今のは完全に不意打ちだ。桜井の顔がまともに見られなくて、ふいっと顔をそらしてしまった。
月「・・・明日持ってくるから」
貴「ありがとう、お願いします」
彼女を家まで送り届け、家に帰ってベッドにダイブする。
初めは人見知りで連絡事項ぐらいしか話したことなかったのに、一度警戒心が解けると普通に話してくれるんだな。
・・・・今まで重なることのなかった視線。洋服に音楽、意外な共通点を見つけて何だかソワソワしている自分がいる。ホント”らしくない”ったら。
おまけに君の笑顔が忘れられなくて、なんだか今夜は眠れそうにない。