第15章 complex (及川 徹)☆
そして放課後。私はこれ以上ないくらい気が重かった。
貴(・・・やっぱり行かないと後がメンドくさそうだしなぁ)
私は重い足取りで体育館に向かった。及川ファンクラブの方々の邪魔にならない様、2階席の一番後ろに座る。
ホイッスルが鳴り試合が始まった。
・・・あれ?・・・なんていうか及川さんの空気が違う。それに今まで見たことない真剣な表情だ。岩泉さんとも息がぴったりでドンドン点を奪っていく・・・。
私はいつの間にか魅入っていた。
・・・なんかイキイキしてる。
今の私には2人が違う世界の人のように思えた。
練習試合は2-0で青葉城西の勝ち。私はそれを見届け、一人家に帰った。