第14章 猫災 (影山飛雄)☆
風呂から上がるといい匂いがしている。カレーだな。台所に行くと夕食の準備が出来ていて、俺の好きなポークカレー温玉のせとサラダだった。俺はもちろん完食した。
影「ごちそうさま。ウマかった」
貴「よかった。洗い物少ないからお茶飲んで待っててね」
彼女が片づけをしてくれている間、俺はソファーでお茶を飲む。するとヤツがそっと足元に近づいて来た。
影(なんだ?今更俺にしっぽを振る気か?)
ヤツは俺の足のにおいを嗅ぎ・・・・ガブッ!!
影「痛ってぇ!」
足首をガッツリ噛まれ、それに気付いたつばさが走ってきた。
貴「コラッ!ソラ噛んだら駄目でしょ!!飛雄大丈夫?」
影「お、おぅ」
貴「血が出てる。ごめんね」
つばさは傷を消毒し絆創膏を貼ってくれた。ヤツは”俺のねーちゃんに手ぇ出すんじゃねーよ”とでも言ってるような眼をしている。俺はヤツを睨み返した。
しばらく睨みあった後・・・ヤツが先に目をそらす。
影(勝った!)
俺は一瞬ニヤリとしたが、ヤツは俺の横にいたつばさの膝の上にちゃっかりと坐り俺を見て鼻で笑った。
影(コイツ、俺だってまだ膝枕してもらったことねーのに!!)
俺がイライラしている横でヤツは”してやったり”といった様子だ。つばさはニコニコとヤツの相手をしている。