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黄色のちょこれいと

第1章 はじまりの春




目の前の男の子が
ゆっくりと唇を開いた。


『なに?』




.....なに?

え、?





「あっ、は、え、?」



とっさに言われて
私は言葉につまる。



『ずーっと、
俺のこと見てたでしょ』



ちょっとだけ、二宮くんが
右側の口角をくいっとあげて
言った。



え、私そんなに見てたかな....

見ちゃってたのか....



「あ、や、す、すいません...」



私は小さくなる。
はじめての会話が
こんな恥ずかしい会話だなんて...




『ふふっ(笑)』


笑い声が聞こえて
とっさに顔をあげると
まぶしいくらいの
二宮くんの笑顔が
そこにはあった。


こんなふうに笑うんだ....


だめだ。

また、ぎゅってした。



『名前、なんてゆーの?』


顔に笑顔の余韻を残したまま
二宮くんは言う。



「えっ、あっ、たえ...です」



『ふぅん、そうなんだ』


自分から聞いたくせに
興味なさそうに
二宮くんは言った。











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