• テキストサイズ

黒子のバスケ*Short Stories4

第1章 たまにはお寝坊さん*紫原*


久々に休みが重なった日曜日の朝。

寒いベランダから暖かい部屋の中に飛び込むように戻った。

「んー…とりあえず洗濯物は干してみたでしょ。様子見てこようかなー。」

洗濯かごを片付けて、寝室の扉をゆっくり開けた。

ベッドの上ですやすや寝息を立ててるのは、最近一緒に暮らし始めたちん。

確か携帯のアラーム掛けてたはずなのに、どうやら止めてまた寝ちゃったみたい。

ベッドに腰掛けて、ちんのほっぺたをつんつんしてみた。

「ちーん、朝だよー。」

その感触で意識を少し取り戻したみたいで、ぎゅっと眉を寄せてうっすら目を開けた。

「…敦?」

「おはよー。起きた?」

声をかけてみたけど、まだちんは寝ぼけ眼のまんま。

「…眠たいよー。」

「せっかく休みが一緒になったから、溜まった家事全部やって出かけたいって言ったのちんでしょー?」

「うーん…。」

そう言いながらまた夢の中に行っちゃったらしい。

…疲れてるんだろーなー。

俺、仕事でほぼ家にいないから、ちんに家のこと全部任せきりだし。

ちんも仕事で遅いみたいだし。

目の下に刻まれた隈にそっと触れて、おでこにキスした。

「…ごめんねー。」

頭をよしよししてあげると、寝てるのに何だか嬉しそうにしてる。

このまま、寝かせてあげたいかな。

ゆっくりベッドから腰を上げると、不意に後ろから引っ張られていたのを感じた。

振り返るとちんがぎゅっと俺の服の裾を引っ張ってた。

「…行っちゃやだ。」

寝言のように呟いたその言葉に、やられた。
/ 16ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp