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黒子のバスケ*Short Stories4

第3章 この気持ちを何と呼ぶ*紫原*


朝練やって、お菓子食べて、お腹いっぱいでうとうとしてたら、周りがざわついた。

あーあ、せっかく気持ちよく眠れそうだったのに。

どうやら最後の席替えらしくて、とりあえず適当にくじ引いたら、窓際の一番後ろでラッキー。

目が覚めちゃったからとりあえずアメ玉を口に入れてみた。

隣に人の気配を感じて見てみると、あんまり顔馴染みがない女子。

ちょうど目が合って、その子が驚いてたから、袋からアメ玉一つ渡してみた。

「あ…ありがとう、紫原くん。」

「俺の名前知ってるのー?」

すると少し強張っていた顔が和らいで、クスクス笑い出した。

「当たり前だよ。もう3学期なんだから。…私の名前知らないでしょ?」

当然知らない。だって話したことないしね。

でもちょっとだけ興味が湧いたから聞いてみた。

「うん。だから教えてー。」

「です。」

「よろしくねー、ちん。」

「いきなりあだ名呼び?」

「んー、だってそっちの方が呼びやすいしー。やだったー?」

「別にいいよ。紫原くんだと何故か許されるから不思議。」

ふわっと笑ったその表情に、何故か惹かれた理由がこの時はわからなかった。
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