第7章 * "Great King"
「っ!!」
バァン!!
「上がった…!ナイス月島!!」
「ヅッギーナ"イ"ズっ…!」
「やった…!!」
なんとか上がったボールは大きな弧を描いて相手のコートへ戻って行く。
今のローテーションじゃ、烏野の前衛に高さはない…!
らっきょう君がブロックを振り切っ―…
「日向!!」
…―ったと思ったのも束の間、ボールは日向の左手に当たり、その勢いを弱ませる。
チャンスボールだ…!
「くそが!!今度は俺が叩き落としてやるよ!!」
日向の足が地に落ちる。
その瞬間にキュッと鳴る、床とシューズが擦れる音。
影山くんがボールに触れた時には、既に日向はらっきょう君の目前から姿を消していた。
"一歩" "一瞬"……
ほんの少しでも遅れれば
もう日向には追いつけない
追いつけるのは、
ボールだけだ―…………!!
ダンッ
コートの端から振り下ろされたボールの音が静まり返った体育館に響き、試合終了の笛が鳴る。
―試合終了。セットカウント2-1
勝者:烏野高校