第1章 *Encounter。
ピーッ
24vs8 北川第一のマッチポイント
雪ヶ丘にチャンスボールが返ってくる。
「あっ……!!」
そのままトスが上がると思ったら、セッターのトスミスで誰も居ない所へ上がった…
―ハズだった。
それは ほんの 一瞬き
今、ついさっきまで左側にいたハズの1番が、一瞬のうちに右側へと回り込んだ。
そして―
ゴッ
ピピーッ
試合終了の笛が鳴る。
どうやら先程の無茶なスパイクはコートの外に落ちたらしい。
雪ヶ丘中 1番、オレンジ髪の小柄な男の子。
北川第一 2番、黒髪で目つきが鋭い男の子。
また、会えたらいいな。
そんな僅かな期待を残して、興奮が冷めないまま体育館をあとにした。