第7章 * "Great King"
―――ドンッ
「ぅわっ………!?」
「っ、すみませ……!」
保健室を出たのと同時に誰かとぶつかってしまって体勢が崩れた私は、その"誰か"によって咄嗟に受け止められた。
「ビックリしたー………大丈夫?」
「ごめんなさい…っ大丈夫です!!貴方は大丈夫ですか!?」
「俺は全然大丈夫だよ」
慌てて離れるとその人は笑顔で答えてくれた。
よく見ると……イヤ、よく見なくてもすごく格好いい人だ。
顔も整ってるし、背も高い。手足もスラッとしてて…………これが俗に言うイケメンってヤツか。
白いジャージもよく似合ってる。
「それよりさ、君のそのジャージ………もしかして烏野の子?マネージャーかな??」
「!は、ハイ…烏野高校1年排球部マネージャーの谷口綾乃です…!!」
昨日貰ったばかりの黒いジャージを着ている私をまじまじと見れば、その人は「へぇ〜…」と声を漏らした。
…あんまり見られると少し恥ずかしい。
「あ、あの〜…」
「へ?あぁ、ごめんね〜」
私が口を開けば、その人はヘラリとした笑みを浮かべた。