第5章 *Place to stay。~Chance~
「?"持って行く"って…何?」
「どういうこと??」
私を含め、影山くん以外の人は全員彼の言葉の意味が分かっていないようだった。
「…お前はただ、ブロックの居ないとこにMAXの速さと高さで跳ぶ。そんで全力スイングだ。
俺のトスは見なくていい。
ボールには合わせなくていい」
「えっ…!?」
「ハァ!?ボール見なきゃ空振るじゃん!!」
「かもな!!」
「うぉい!?」
「でも…やってみたい」
「…わかった」
今の2人の会話を聞いてても、まだ何を考えているのかサッパリわからない。
ボールを見ない、ボールに合わせないなんて…そんなことができるのだろうか。
だってそれはつまり、影山くんを……セッターを信じてなければ絶対に不可能なんだから。