第5章 *Place to stay。~Chance~
―そして試合は再開された。
日向くん、影山くんチームにチャンスボールが返って来て、田中さんがそれをレシーブする。
「「俺(おれ)に上げろ!!」」
「田中さ
「影山!!!」
「!?」
「居るぞ!!!」
「っ…!」
ドッ
「ふぐっ」
影山くんの声を遮って跳んだ日向くんの手が、かすかにボールに当たって点に繋がった。
…今のはトスを上げた影山くんの技術も相当凄いと思う。
「アッブねー…空振るトコだった…」
「お前何をイキナリ
「でもちゃんとボール来た!!!」
「!」
「中学のことなんか知らねぇ!!
おれにとってはどんなトスだってありがたぁ~いトスなんだ!!
おれはどこにだってとぶ!!どんなボールだって打つ!!だから、
おれにトス、持って来い!!!」
「…っ!」
…まただ、胸が痛い。
「どうした?大丈夫?」
「だいじょぶです…!!」
駄目だな、また心配をかけるところだった。
私は、まだ微かに違和感のある胸をきゅっと押さえつけ、深呼吸をした。