第2章 *Reencounter。
*影山side.
「日向くんいくよっ!」
「おーす!!」
あれから結構な時間が経って、空も暗くなり始めた。
今は日向と谷口さんが2人で練習をしていて、俺は近くに腰を下ろしてその様子を眺めている。
(…上手いのに、なんでバレー辞めた?)
さっきの咄嗟のレシーブといい、今の練習風景といい、ただのバレー経験者ではないと思った。
かなりの練習を積んだか、それとも生まれながらにして才能があったのか。
(勿体無え…)
そんなことを考えながらジッと練習風景を眺めていると、視線に気づいた谷口さんは此方に駆け寄ってきては両手を胸上にかかげた。
「ちょっと休憩ー…
影山くん、交代お願いします」
「?」
「交代っていったらハイタッチでしょ!」
そう言った彼女は、無理やり俺の両手目掛けて自らの両手を振り下ろした。
お互いの手がバチンと鈍い音をたてると、彼女は満足したような笑顔を見せた。
「じゃ、ちょっと飲み物買ってくるねー」
そう告げて自動販売機のある方へ走って行く彼女を見送れば、腰を上げて日向の相手を始めた。