第8章 私が握る手
片付けを終え、銀時、新八、神楽がテレビを見てくつろいでいる時、凛は玄関から外に出た。
銀「おーい。どこ行くんだよ。」
凛「ちょっと外の空気吸うだけよ。」
神「銀ちゃん、心配なら一緒に行くヨロシ。」
新「そうですよ。」
銀「てめぇら…そう言っときながら本心はチャンネル変えたいだけだろ。」
三人の様子に、凛はクスリと笑う。
凛「下には降りないわよ。ここにいるから大丈夫よ。」
そしてうーんと背伸びをした。
見上げれば江戸の夜空には星が瞬いている。
凛『空なんて久しぶりに見上げたかも…』
しばらく星を眺めていると、ふと上から声がした。
「夜空を見上げて何を考えてるでござる。」
凛「…あなたは誰。」
どうやら屋根の上にいるようで顔が見えない。
河「失礼いたした。拙者、河上万斎と申す者。晋助…高杉晋助の使いで参ったでござる。」
凛「高杉の家来さんが何の用?」
河「言わなくても分かっているでござろう。」
その時居間から声がする。
銀「おーい。どうかしたかー?」
凛「……何が?別にないわよー。」
何事もないかのように返事した。