第6章 復讐の念
それから二週間ほと薬を塗り続けた。
銀「おし。今日も塗るぞ。」
いつも通り銀時が背中に薬を塗る。
凛「毎日ごめんね。」
銀「いや、それより…」
凛「ん?」
銀「もうほとんど消えてる。パッと見じゃわかんねぇよ。」
凛「ホント?やった。」
銀「薬も少なくなってきたし、あと数日で充分だろ。」
そう言ってささっと薬を塗って凛は寝間着に袖を通す。
凛「ありがとう。」
そう言って凛が銀時を振り返ると、いきなり凛は抱き締められた。
凛「え。銀さん!?」
銀「…復讐なんてやめろ。」
凛「!?…どういう事?」
高杉との話はしていない。
復讐したいという心うちも、銀時には話していない。
銀「許せねぇのは分かる。普通の生活送って傷痕も消えかけてるのにまだお前は心から笑っていない。」
凛「…そうだね…そりゃ、時間もかかるわよ。」
銀「だけどお前はそもそも幸せになろうとしてねぇ。」
凛「今が充分すぎるのよ。これ以上何を望むって言うの?」
銀「お前は、幸せになっていいんだ。だから…」
凛「…ありがとう、銀さん。」
凛は銀時からそっと体を離す。