第6章 復讐の念
銀「薬、塗ったか。」
そう言いながら凛の後ろに座る。
凛「うん。あとは背中だけ。」
銀「すぐには目に見えて効果は現れねぇだろうが、ま、気長に塗りゃいいだろ。」
そう言って今度は銀時が薬を指に取る。
銀「おら、脱げ。」
凛は素直に寝間着の上を取り、前を隠すようにした。
銀時は凛の背中を見て息を飲む。
銀「おま…これ……」
凛「ん?ああ…」
凛の背中には、腕や足、腹と比べ物にならない程の傷がついていた。
刀傷のようなものまである。
凛「過激SM好きの天人にあたった事があるの。悲しい事にそいつがSでね。散々だったわ。」
背中の傷は武士の恥と言うけれど、何もそれは男に限らない。
凛も銀時達と一緒に武士の心を学んできた。
銀時はなぞるようにその傷に薬を塗っていった。
凛「叩かれて、ひっかかれて、縄で縛られて、罵られて…それがいいって人もいるみたいだけど、私はこういうのは嫌だな。」
銀「当たり前だ…あれは快感あっての喜びだ。お前のこれは…全然違う。」
愛も快感もないものは、一般に考えるSMプレイとは違う。
それは"拷問"だ。