第5章 変化
凛が少し後ずされば、銀時は横から肩に回していた手を凛の後頭部に回し、壁と自身で凛を挟んだ。
凛が離れようとする前に凛の両足の間に右足を入れた。
右手は壁について体勢を固定する。
凛は逃れる術なく、ただ銀時の着物の襟を握るばかりである。
頭の中は真っ白だった。
啄むように口付けをしてくる銀時の唇の熱がどんどん伝わってくる。
凛はギュッと目を瞑り銀時に身をまかせていた。
銀時から香る甘い香りにクラクラしていた。
唇から頬、耳の付け根、瞼、額とキスをし、銀時は凛から顔を離した。
銀「…凛?」
凛は恐る恐る目を開ける。
すると銀時が目の前で凛の目をじっと見ている。
銀「嫌がらないんだね。」
ふわりと笑った銀時に心臓が跳ねた。
一気に顔が熱くなる。
チン……
地上への到着を知らせる音を合図に、銀時が凛から体を離した。
しばらくボーッとしていたが、凛も銀時が降りるのに続いて慌てて降りた。