第4章 新たな生活
自分はいらない子だと思っていた。
誰かの役に立たなければ必要とされない人間だと思っていた。
だから、親子で仲睦まじく過ごして親から無償の愛を注がれている子供を見る度に、胸が張り裂けそうに辛かった。
村では、確かに愛情を持って育ててもらった。
だが、やはり血の繋がりはないからどこか一線引いていた。
自分も、育て親も。
愛が欲しかった。
ただ、愛されたかった。
姿も声もなかったけど、母が残した言葉からは、自分を理由なく想い続けてくれた事が伝わった。
それが、今の凛にはとてつもなく嬉しかった。