第1章 出会い
銀「んなワケあるか。いくら俺でもテメェみたいな汚いガキは相手にしねぇよ。」
少女はその言葉に少し安堵の表情を見せた。
銀「にしても…汚えナリだな。」
薄汚れた顔にボサボサの髪
所々ほつれて穴も開いている着物
かなり擦りきれている草履
長く伸びた前髪で顔も隠れている。
銀「お前、帰る所とかあんのか。」
「いや、あったらこんな格好してない。」
銀「身を整えるぐらいさせてやる。ウチ上がれ。」
普段なら面倒事を回避する銀時だが、この少女は何となく見捨てられなかった。
だが親切で言ったその言葉に、少女はビクリと身を強張らせる。
過去によっぽど酷い目にあったのか。
銀「とって食いやしねぇよ。ウチには女のガキと犬もいる。安心しろ。」
少女はまだ少し怯えが残る表情で「ほんと?いいの?」と聞き返す。
銀「どうしても嫌なら別にいい。俺は早くコレが読みたいから上がるぜ。来たきゃ来い。」
そう言って少女に背を向けて歩き出す。
少女は銀時の三歩程後ろをついてきた。