第2章 黒蝶(銀時side)
悲惨なものだった。
連れて行かれたあとも何日も抱かれ続け、飽きて捨てられ、寺子屋へなんとか戻ってきた頃にはもう既に俺達はいなかった。
噂をたどり、戦地へ赴けばまた天人に捕まり、既にボロボロだった凛はろくに抵抗も出来ず…
結局奴隷として天人の船に連れ込まれ、だがさすがに地球を離れるとマズい、と命からがら逃げ出した。
だが身寄りもなく、平和になりつつある日本で、素性のわからないボロボロの凛を構ってくれる人もいない。
盗みを始め、時には男に体を差し出して少しの食料と交換したり…死のうと思ったのは一度や二度ではないという。
凛「でも、死ぬのが怖かった。なんか悔しくて…生きていたって幸せにはなれないと思ったけど、それでも生にしがみつけずにはいられなかった…」
俺は凛の隣に移った。
凛「どんなに苦しくても…それでも…生きていたの…」
たまらず、俺は凛を抱き寄せた。