第11章 私の気持ち
それだけわかれば十分だ。
番人は暇なのか…うつらうつらと眠そうにしている。
凛はすぐ、口の中から無線機を取り出して小声で話し始めた。
ちなみに、その無線機からは小さいがイヤホンコードが伸びるので凛はそのコードの先を耳に押し当てた。
優れものだな、おい。
凛「こちら凛。応答願います。」
銀『おー…どうだ。上手くいったか。』
凛「緊張感ないわね…まあいいわ。捕まってるのは40人くらい。」
銀『ちっと多いな。』
凛「逃がすのに時間かかるかも…」
銀『心配すんな。そんな事だろうと思ってよ、吉原の百華に声かけといた。』
凛「はい!?」
銀『だからおめーは通路さえ確保してくれりゃいいぜ。』
ほとほと銀時の人脈の広さに感心した。
凛「あ、でも女の人が一人捕まってるらしいんだけど、その人だけどこにいるのか分からないわ。」
銀『そうか……ん…なんて?おい、もっかい言え。』
どうやら無線機の向こうで誰かと話しているらしい。
銀『…そういう事は先に言えよ!!…ったく……おい、凛、聞いてるか。』
凛「何?」
銀『その捕まってる女ってのは百華の頭だ。そいつは大丈夫だろうから気にすんな。』
凛「ああ…月詠さんね!!了解。合図があり次第、こっちはこっちの仕事するわ。」
銀『頼んだ。じゃ、また後でな。』
凛は無線機を切った。