第11章 私の気持ち
天人「おめーはこの牢獄だ。大人しくしてな。」
凛は敵の上層部に取り入る事は叶わなかった。
だが、さらわれた人々が入れられている牢に一緒に入れられた。
凛『思った以上に多い…ざっと見て40人ってとこかしら?』
凛は牢の中の一人の子供に聞いた。
凛「ねぇ、君。捕まってる人は皆ここに入れられてるの?」
子「…お姉さん誰…?」
牢の中にいる人は皆、虚ろな目をしている。
凛はその子供にコソッと耳打ちした。
凛「お姉さんは皆を助けに来たの。大丈夫。きっと皆をここから出してあげる。でも、この事はしばらく内緒ね?」
そう言うと子供はみるみる涙を目に溜めて行った。
子「…お、お母さんの所に帰りたいよぉ…」
番人に見つからないように声を押し殺して泣く子供を凛はギュッと抱きしめた。
凛「もう少しだけ我慢してね。大丈夫よ……お姉さんに協力してくれる?」
子供の涙を拭ってやりながら、凛は優しく聞いた。
子「…う、うん。」
凛「捕まってるのはここの人で全部?」
子「多分子供は僕達で全員…でも女の人はお姉さんで二人目だよ。一人目は…どこにいるかわかんないや。」