第10章 思い出を抱いて
銀「さっさと受け入れろとは言わねぇ。でもよ、今こうやって俺らが一緒にいられるのは良い事も悪い事も、今までの事があったからだろ。過去が違えば今はなかったかもしれねぇ。」
銀時の言葉をゆっくり噛みしめ、凛は話し始めた。
凛「昔着ていた薄桃色の着物ね…母が私と一緒に村に置いてった布から作ったものだったの。村の人が作ってくれて…唯一のプレゼントだからとっても嬉しかったわ。」
話ながらギュッと着物を抱きしめる。
凛「お気に入りだった。…銀さん達もあの着物にちなんで黒蝶の凛って呼んでくれてたんだよね。」
新「似てるって聞きました。その着物と買ったその着物。」
凛「そっくりよ。うん…似すぎてて…いっぱい思い出すの。楽しい事も辛い事も…」
神楽は凛を着物ごとギュッと抱きしめて言った。
神「たくさん大変だったアルな…でも今までの事が今の凛ちゃんをつくってるアル。私は感謝するネ。今の凛ちゃんが大好きネ!!」
凛は涙を流してニッコリ笑った。
凛「皆…銀さん、ありがとう!!」
その笑顔は、涙に濡れながらも今までで一番綺麗な笑顔だった。