第8章 私が握る手
凛「……銀さん達が来るかは、一種の賭けだった。来なければ、大人しく高杉についていこうと思った。…今の私がしたい事を考えればそれが一番手っ取り早い事だし。」
凛が前へ出ると、銀時も前へ進んだ。
そして銀時と高杉は凛を挟む形になる。
凛「正直…まだちょっと迷ってるの。」
銀「こんな所じゃてめぇは幸せになれねぇよ。」
凛「幸せなんて…」
銀「それはお前がまだ本当の幸せを知らねぇからだろ。一度知ったら…手離せなくなるさ。」
あまりに優しい声に、凛は心を揺さぶられる。
銀「復讐したって恨みしか残らねぇ。それでもいいってんなら構わねぇが、それは自己中ってんだろ。痛みが分かるからこそ、今あるものを守ってやれんだ。」
銀時が手を差し出す。
銀「俺はお前に高杉と同じ道を歩ませたくねぇ。お前にはまだ…選択の余地があるんだ。」
凛は、無意識の内に銀時の手を取っていた。