第8章 私が握る手
…チュッ
凛の口に酒と煙草の苦味が広がる。
凛「え…」
凛が状況を理解する暇もなく、高杉は凛をふわりと押し倒した。
高「言ったろ。俺はおめぇが欲しい、と。」
起き上がろうとした凛の両手首をそれぞれ掴み、完全に動きを封じる。
高「全部俺のモノにしてやるよ。」
凛「ま、待って。」
高「なんだ。俺は気が長くねぇんだ。」
凛「私の事、戦力として欲しいって言ったわよね。」
高「当たり前だ。それはもちろんだ。」
凛「じゃあなんでこんな事に…」
高「うるせぇ。お喋りは終いだ。黙れよ。」
そう言って顔を再び近づけてくる高杉。
凛はギュッと目を瞑った。
そして心の中で叫んだ。
凛『……銀さん!!!!!!』