第8章 私が握る手
凛「変わっちゃったね…」
高「あ?」
凛「昔の馴染みが、よ。あんなに仲良かったのに。」
高「…。」
黙って煙草をふかし続ける高杉。
凛「一人は先生が残したものを憂い、変えようとしてる。一人は先生が残したものを受け入れ、この世を生きている。一人は先生が残したものを嫌い、壊そうとしている。…どこで変わったんだろうね。」
高「…元々が違うんだ。変わったんじゃねぇ。来たるべき分かれ道をそれぞれが進んでいっただけよ。」
凛「そうね。…どの道が正しいかなんてわからないわね。」
高「んなもんどうでもいい。おめぇも壊そうとしてるクチだろ。俺と目指すモンが一緒ってだけで充分だ。」
高杉は煙管を置き、目の前に置かれた膳に手をつける。
高「凛、こっちに来い。」
どうやら酒を注げ、という事らしい。
相変わらず俺様だな、と凛が呆れて溜め息をついた。
高「あとな、俺の後ろに隠れてるてめぇ。俺の命令に逆らうたぁいい度胸してるじゃねぇか。」
凛は驚いて高杉の後ろに目をやった。