第8章 私が握る手
高「…ククッ…てめぇは来ると思ってたよ。」
今、凛は梅田屋という料亭の一室で高杉と向き合って座っていた。
凛「……。」
「こらぁ!!何か喋るッス!!」
隣では鬼兵隊幹部の来島また子が怒鳴る。
高「おい、今回は人質じゃねぇ。客だ。黙ってろ。」
高杉にそう言われればもう何も言えない。
また子は不満そうだったが仕方なく黙った。
凛「……。」
凛としても、何か話をしなければ、とは思っていても何を喋ればいいのかわからず黙ったままになってしまった。
高「…お前ら全員、他の部屋に移ってろ。俺がいいっつーまで入ってくんじゃねぇ。」
いきなり高杉が部屋にいた全員に命を下す。
来「晋助サマ!?いいんスか!?こんな得体の知れない…」
河「我らはとっとと引くでござるよ。」
来「は、離すッス!!」
万斎がまた子を抱えてズルズルと引きずりながら出ていった。
合わせて部屋にいたモブ数名も出ていく。
高「二人になりゃ少しは話やすいだろ。」
高杉は煙管を取り出し煙草に火をつけて吸いはじめた。