第2章 幼少期
ナルトが俺のおにぎりにかぶりついた時、背後で女子の悲鳴が聞こえたのは気のせいだ。
絶対そうだ。
今だにリスの様に頬張るナルトを見ていると、自然と此方も笑顔になる。
不思議な笑顔だと、思いながら俺もおかかおにぎりを頬張った。
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「ただいま!」
家に帰ってくると、鞄を自分の部屋に置いてから手を洗いに行く。
その後にお母さん特製のお菓子を食べて、宿題をするのが日課だ。
でも、最近はその日課に追加されたことがある。
そう、ナルトと遊ぶことだ。
ちょっとだけ森を探検したり、一緒に修行をしたり、一緒に休憩して雑談したり。ナルトとは親友兼ライバルの様な関係になっていた。
気付いたら、兄さんと同じくらいナルトとお互いのことを共有している気がする。
それが堪らなく嬉しい。
今日はナルトと分身の術の練習だ。
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「おーい!サスケェー!」
待ち合わせ場所で2分くらい待っていると、もうすっかりお馴染みとなった金色が見えた。
俺のところに来ると、遅れてごめん、と謝ってきたが今に始まったことじゃ無いから放置。
ナルトの手を取って何時もの場所に向かう。
今日もナルトの手は陽だまりみたいにあったかい。
そういえば、最近兄さんの様子が可笑しい。どうかしたのだろうか......。