第2章 Forbidden Lovers
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目覚めれば、すぐに京治の部屋に向かう。
昨日の言葉を思い出しながら。
罰ゲーム『今日1日、京治の言うことを聞く』
目覚めは1日の始まり。
つまり罰ゲームは始まっているのだ。
「おはよう。」
「遅い。」
既に準備を終えている京治が、眉間に皺を寄せる。
「ごめんって。で、どうすればいいの。」
降参するように両手を挙げて、軽く降る。
「取り敢えず、これに着替えて。」
手渡された可愛らしい紙袋。
その中を覗くと…
「京治って、こんな趣味だっけ…?」
反応に困り、紙袋と京治を交互に見る。
京治が用意したものは、あっさりめのロリータ。
ロリータは小さいものばっかり。178㎝もある私サイズのものなんてないから、きっとオーダーメイド。
え、なんで知ってるかって。
それは…部活で調べたってことにしておいてください。
「…着てみたかったんだろ。俺の前くらい女っぽい服装していいと思うけど。」
心の中の言い訳を崩すような言葉。
そのぶっきらぼうな優しさが胸にしみる。
ほんと私のことよくわかっているって実感させられる。
「でも俺以外の前では禁止な。成都はもてるから。」
「女子にね。」
「…はぁ。」
多分昨日のチョコに男子の逆チョコが含まれているからだろう。そんなの心配しないでいいのに。
私が京治を信じているように、信じて欲しいいな。
「ちょっと待ってて…!」
その優しさを受け取って、私は照れながら頷いた。
こんな緩んだ顔を見せられるのは京治だけ。
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「え!?」
「なんで信じられないみたいな顔してんだよ…」
「だって!」
京治から囁かれたのは一言だった。
『デートしよう。』
もっとむちゃな要求がくると思ってた。
そのため後から「どうしたの?」と聞けば、「普通にデートしたいだけ。」と。
「たまには恋人らしいことも、な。」
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(私をときめかせるのが巧いなぁ。)
鏡には緩んだ自身の顔。
心から楽しみな証拠。
いつもは着ない可愛らしい洋服に袖を通し、服に合ったピンク系のメイクをして。
ワクワクドキドキと心を弾ませてを準備を進めていく。