第2章 始まり
今起きている事は本当なのか
現実なのか……
神なんて居ないと思っていた
翼「せ……セバ、スチャン」
セバスチャン「クス…何でしょうか」
翼「お前……悪魔」
セバスチャン「そうですね、私は悪魔です」
翼「悪魔……」
これには驚いた
神様を信じていない僕の前に
今、此処に悪魔が居るんだ
でも、嘘ではないのかも知れない
血のように赤い目が、ただの人間とは思えない
いや、人間じゃないことを表しているようだった
(セバスチャン……何処かで聞いたことが………)
翼「…………!」
(名前を聞いたとき不思議だと思ったんだ)
この日本で、ただでさえ珍しい燕尾服を着て、黒髪に赤い目の高身長
黄色人種の日本人ではありえない、雪のように白い肌
そして自らを悪魔と名乗る
翼「……黒、執事か」
じゃあ漫画の中のセバスチャンがこの世界に来たっていうこと?
そんなの有り得ない、非科学的すぎる
ポケットからスマホを取り出して
「黒執事」と検索し
出てきた画像を確認する
それを見て
僕は凄く驚いた
だって
翼「……誰」
セバスチャンの立ち位置である場所なのに
彼は居なかった
正しく言えば、違う人物がいた
調べても調べても出てくるのは知らない人物
翼「セバスチャン……いない」
今、この瞬間、現実で
非科学的なことが起きている
セバスチャン「これは執事漫画ですか?」
後ろから聞こえてきた声に素早く反応して
振り返ると、腰を少し曲げて顎に手を置いて
深く何やら考えている様子のセバスチャン
翼「執事漫画。執事が主人公の漫画」
翼「シエル、知ってる?」
知らない筈はない、仕えていたんだ
ファントムハイヴ家の執事として
セバスチャン「シエル………嗚呼、坊ちゃんですか」
やっぱり、覚えてた