第2章 始まり
セバスチャン「私がお手伝い致しましょう」
「坊っちゃん、貴方はシエル坊っちゃんを知っていますよね?シエル坊っちゃんも貴方と然程変わらない歳でした。シエル坊っちゃんに出来て貴方に出来ない筈がありません」
そう言ってセバスチャンは僕から一歩後ろへ下がる
目の上に左手を置く
根拠なんてない
でも
翼「やる」
やれそうな気がして来た
僕より身長の高いセバスチャンを見上げる
自信に満ち溢れた紅い瞳
目を細め口に弧を描く
できる
翼「僕が社長になる。けど僕はまだ子供で一人じゃ何も出来ない。だから、僕に力を貸して。セバスチャン……お願い」
言い終わるとセバスチャンはクスッと笑う
一体何が可笑しいのか僕にはさっぱり分からないので首を傾げる
セバスチャン「初めてですね……命令ではなく、お願い とは…」
翼「そういう事か……。慣れないな……で、返事は?」
セバスチャン「Yes my load」
胸に手を当て、片足膝立ちをして頭を下げる
目の前の光景が嘘のようだ
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「そういえばセバスチャン」
『何でしょう?』
「呼び方変えて」
『坊っちゃんじゃご不満ですか?』
「あぁ、名前で呼んで」
『では翼様、でよろしいですか?』
「ん」
『クスッかしこまりました』