銀魂かっこいいタイトルつけたら更新できないと思うからごめんね
第15章 SとドSは別物です
「うーん」
街の中で華子はフラフラと飲食店を見て回っていた
適当に歩いていると気づかぬうちに歌舞伎町のほうまで来ていたようだ
いつもこうやって散歩の時も、つい歩きすぎてしまう
考え事をしていると4時間ぐらい普通に歩けてしまうのだ
さすがに時間も6時近くなりいい加減決めてしまわないと
空腹も通り越して食欲があるかないかわからない感覚にまでなっている
目の前に定食屋が見えたのでそこへと目星をつける
広くもない店内、調理場にはおじさんが一人
テーブル席とカウンター奥にそれぞれ男性客が居る
本来なら女一人だと勇気のいるカウンターへすんなり座る
「いらっしゃい」
「親子丼ください」
お水を出してくれたおじさんへ注文して数分
美味しそうな半熟卵の親子丼が出てきた
おお!ここは当たりかも!
一口食べるとお出汁が香る
ふわとろ卵と柔らかな鶏肉のハーモニー!
鶏舎の宝石箱やー!
一気に平らげた
米粒残さずそれはそれは綺麗に
足りない…
一般女性と比べるとやや多めになんでも食べる私には丼一杯では少々物足りなかった
美味しい上に今日初めての食事というオマケつき
頼むか…
お一人様には慣れているが追加注文にはまだ恥ずかしさを感じる
迷いながら壁に貼られたメニューを見る
『とんかつ定食』
う、美味そう
きっとこのおじさんのことだ
間違いなく美味しいに決まっている
しかもキャベツの千切りとか細かくて盛り盛りなはず
でも定食か…
ご飯を食べれる気がしない
おかずだけで頼むのもこれまた勇気がいる
どうしよう
「なんかいるかい?」
メニューをじっと見つめる私におじさんが声をかけてくれる
「おっちゃーん、ごっそさん。これお代。頼んでたやつもね」
「あいよー!」
私にちょっと待っててねと言って、お代を貰いに行った
会計を済ませた男性客に一つの袋を渡している
「いつもありがとね。親父さんにもよろしく。また一緒に店おいで」
「ああ、また連れてくるわ。その時までは『コレ』で我慢させとく」
「あんま働き過ぎると俺より先に逝っちまうぞって言っててくれ」
「ははっ!ちげーねぇや」
見送ったおじさんが急いで戻ってくる
「お待たせお待たせ、悪いね。決まったかい?」
「とんかつ定食お持ち帰りで!」