第5章 好敵手
「……………俺が上げるよ。トス。」
俺の前へと歩み出たのは爽やかな印象の青年。
目を細め笑うと少しだけ赤みの差した頬。
「ありがとう。助かるよ。………君、名前は?」
「管原孝支…………セッターだよ。」
凛と見つめてくる強い眼差しに、俺の体の中の血が騒ぐ。
へぇ……コイツもイイ顔してんな……
案外、俺と相性イイかもね。
ま、それはトス見てから、だな。
「ん。孝支ね。よろしく。」
「お、おう。」
もう一度菅原に笑顔を向けた後、再び俺の視線は澤村へと向かう。
「あんまり時間取らせるのも悪いからさ、1セットだけ付き合ってよ。」
俺の言葉に目を見開く澤村たち。
まさに"奇襲"の名の通り、突然やって来た俺にどう対応すべきか戸惑っているらしく、澤村以外のメンバーたちはキョロキョロと周囲のメンバー同士で顔を見合わせていた。
「………い、1セットって………25点マッチってことか?お前…………1人で、………俺たち6人と…………?」
___triumphal return.