第12章 合同合宿
「__確かに1stテンポで一斉攻撃されちゃうと、どうしてもブロックが分散しちゃうんですよね。」
金田一の言葉にうんうんと同意する松川たち。
しかし及川だけはニコニコとイラつく笑顔を見せていて。
「………ふふ、皆まだまだだね♪」
及川お得意の人をイラつかせる笑顔により眉間にシワを寄せた岩泉が及川へと鋭い視線を向ける。
「あ?どうゆうことだ?………つか、お前その顔やめろ。イライラすんだよ。」
「ふふっ岩ちゃんてば及川さんのイケメンフェイスが羨ましいからってひがんじゃダメだよ?」
「…………。」
及川の言葉によって完全に鬼と化した岩泉がボール片手にわなわなと震えていた。
「いっ岩泉さんっ落ち着いてくださいっ!」
そんな岩泉を例のごとく止めには入るのは金田一の仕事だ。
俺はため息をつき、俺の隣でなおもムカつく笑顔を振り撒くアホの頭を後ろから思いっきり叩く。
スパーン!という軽快な音が響き、突然の衝撃に驚きと苦痛の表情になる及川。
「な"っ!?ちょ、ちょっと悠っ!?何すんのさ!」
抗議の声をあげる及川を無表情のままじっと見つめてみる。
「………煩ぇ。そしてうぜぇ。とっとと話せアホ川。」
「なっ!悠ヒドイっ!!つか真顔は止めて!岩ちゃんも悠も及川さんの扱いがヒドイから!」
「いいから、話せクズ川。」
「また!?………もぉー。だからね、及川さんは気づいているんだよ。森然のセッターの"クセ"にね__」
及川の分析によると森然のセッターはシンクロ攻撃の際、トスをあげるスパイカーをある種のパターンで選んでいる傾向があるようで、それに気づいた及川はしっかりそのパターンを掴んでいるようだった。流石と言える及川の観察眼には言葉にはしないが皆一目置いているのだ。………間違っても言葉にはしないが(調子に乗るからね!)。
その後は俺が見てきた生川や音駒の情報を伝えたりと色々している内に生川のペナルティが終わり、第2試合が始められた。
____analysis.