第11章 祝杯
返事をしない俺に対し不満を露にする及川だったが監督が話を続けているのに気づき、顔を監督へと向けた。
………悪いね。徹。
今はまだお前にサクとのこと話したくないんだ___
入畑の話によると梟谷学園の監督が入畑と旧知の仲らしく、元々梟谷グループで実施予定だった合宿に急きょ青城も仲間に入れてもらったらしい。
その"グループ"に含まれる他校は名前を聞いても知らないところばかりだったが、唯一"音駒高校"という学校だけは烏野の澤村からとにかくレシーブがしつこい、との話を聞いていたため知っていたが。
参考までに合宿は夏休みが始まる3日後からで、前日の昼から新幹線で東京へと向かうというスケジュールだった。
そして、部活の帰り道。いつものように及川と岩泉の3人で歩いていると俺のスマホにメールの着信を知らせる音が鳴り、確認をすると送付者の欄には"澤村大地"の名前があって。
例の音駒について改めて情報を得るべく烏野の澤村にメールをしたいた俺は、その返信によって驚きのあまり目を見開く結果となった。
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From:澤村大地
2014/07/XX 20:52
Sub:驚いた
悠も梟谷の合宿に行くのか?!
………実は俺たちも行くんだわ(笑)
まさか一緒になるとは思わなかったけどな。
向こうではよろしく。次こそ絶対うちが勝つからな!
それと、
地区予選、優勝おめでとう!
白鳥沢に圧勝とか相変わらず半端ねぇな(笑)
でも正直負けたことは悔しいけど、お前になら俺たちの分まで託せるわ。
この勢いで全国制覇してこいよ!
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___Surprise from the mail.