第9章 初陣
インターハイ予選2日目___
「さぁ!今日こそ飛雄ちゃんのこてんぱんになった姿、拝んじゃうよ☆ね?悠~♪」
朝からやたらとテンションの高い及川のウィンクを飛ばしてくるというウザさの極みのような行動に、思わず左ストレートが出そうになるのを必死で抑える俺。(←試合前だからね!)
「…………あ、一ぇ、もしかしたら俺今日、「んなっ!?ちょっと」公式戦久々すぎてやり過ぎちまうかも。あんまし酷かったら止めてね。」
「及川さんが先に悠と話してたんだけどっ!!岩ちゃ「ははっ相当溜まってんしな。お前。………ま、好き勝ってやってもいいんじゃねぇの?わざわざ手加減してやることもねぇしよ。」……岩ちゃんのバカ~!そんなんだから女の子にモテな__!?」
及川の言葉に瞬時に岩泉の顔が鬼へと変化し、それと同時にビクリと反応した及川の体。
「…………あ"?」
「……ゴメンナサイ。ナンデモナイデス……」
鬼気迫る岩泉の様子に片言になって答える及川は震えていて、そんな様子を見ていた俺は肩を震わせ笑っていた。
…………ったく、こいつらは毎日毎日……
ま、でもお陰で変に熱くなりすぎなくて済んだけどね。
試合出んの久々すぎて、自分の中の衝動が抑えられそうになかったからさ。
……多分、徹も一も気づいてんだろーけど。
「____銀鏡っ!!」
突如聞こえてきた自分の名を呼ぶ声に、顔を向けると視線の先には機嫌の良さそうな監督の姿。
「___うすっ」
「ははっ実にギラギラした良い眼だ。………今日は頼んだぞ。思う存分、派手に暴れてこい。………そして、ビビらせてやろうじゃないか。全国の高校バレー部をな!!」
監督の言葉にニィと口角を上げ笑みを返すと、俺はゆっくりと頷き、隣にいた及川と岩泉の肩に手を乗せた。
突然の俺の行動に驚く二人を他所に開かれた俺の口。
「………ええ。好きにやらせてもらいます。………んでもって、コイツらと……チームの皆と一緒に青城が"最強"だってこと、見せつけてきますから。」
___Oath.