第6章 奇襲
烏野高校からの帰り道。
バス停でバスを待っている間に、スマートフォンを確認すると岩泉から着信が入っていた。
…………だが、
それ以上に電話をしてきたらしき形跡を残す名前が羅列しているのが嫌でも俺の視界に入る。
1.2.3.………
え、ナニコレ……
きゅ、…9回とか、
まじ嫌がらせとしか思えないんだけど……
何アイツ、俺のストーカーか何かなの?!
怖っ何かあの人怖いっ!!
ズラリと並ぶ"及川 徹"の三文字。
思わずスマホを持つ手に汗を握ると、それに反応したかのようにスマホから着信を知らせるメロディが流れ始める。
そっとディスプレイを覗くと"岩泉一"の文字が目に入り、ほっと胸を撫で下ろす俺。
「__はぁ。一、どしたー?」
『やっと出たか……。つか、どしたーじゃねぇよ。電話しても出ねぇし………まさか、今まで烏野で遊んでたんじゃねぇだろーな?』
「はは……バレました?……いや、思った以上に楽しくてさ。」
『は?!まさか、烏野相手に本気出したのか……?!』
「ん?俺が烏野相手に本気なんて出すわけねぇだろ?………んなことやってもつまんねぇだけだし。………ただ、ボロ負けでも食らい付いて来てくれんのが嬉しくてさ。珍しくドシャットとか決めてきちゃったよ。」
『………なんだそりゃ。………くくっさぞかし向さんをビビらせてきたんだろーな。…まぁ、後で聞かせろや。俺も今日お前ん家泊まり行くことにしたからよ。』
「おー。アホがいるみたいだけど、とりあえず無視してくれて構わないから。」
『………んなこと知ってるっつの。じゃ、30分後くらいにお前んとこの近くのコンビニで待ってるわ。』
「ん。じゃ、後で。」_____ピッ
電話が切れると同時にバスが到着し、乗り込むとマナーモードに切り換えた俺のスマホが振動を伝えてくる。
チラリとディスプレイを確認すると"及"から始まる三文字だったため、俺は気づかないふりを決め込み、暫しの眠りについた。
………ま、たまにはこーやって外の空気を吸いに来るのも悪くないねぇ…。
帰った後が面倒臭そうだけどな。
___I get to return home.