第6章 奇襲
「銀鏡さんっ俺との約束もお願いしますっ!!」
相変わらずのすごい勢いで迫ってくる影山に内心困惑しつつも、笑顔を返すと、目を輝かせ期待に満ちた顔の影山と、俺の横で何故か俺の名前を連呼している日向。
「………いいよ。サーブ教えんのはね。……でも、悪いけど、お前のトスは打てないんよ。ごめんな?」
「なっ!?何でですか!?」
「へっへーんだ!影山、ざまぁみろっ!」
「んだとぉっ!?日向ぁテメェ!!………ハッ!す、すみませんっ!」
危うく俺のことを忘れ喧嘩をし始めそうになっていた二人を、クックッと笑っていると、その様子に気づいた影山が思い出したように俺へと頭を下げた。
「……ククッ……んな謝んなくて大丈夫だから。……トスはさ、うちのバカからお前のトスは打つなって言われてんのよ。」
「………?誰ですか?」
俺の言葉に"?"マークを浮かべる影山の頭をポンポンと撫でると、その頬がほんのりと色づく。
「あー……わかんねぇ?……徹だよ。徹。アイツの機嫌損ねると後がめんどいんだわ。………悪ィね。」
「おっ及川さんっ!?な、何で俺だけ……?」
首の後ろを掻きながら、思わず困ったような笑顔になる俺。
「………よくわかんねぇけど、アイツ俺が他のセッターのトス打つの嫌うんよ。………だから、お前にまで火の粉が飛んだらごめんな?孝支。」
「ぅへぇ!?お、俺っ!?…………あー……でも、いっか!俺、お前にトスあげられて嬉しかったしね。」
「ん……ありがとな、孝支。俺、お前のトス好きだよ。」
「っうわ///………それ…メッチャ嬉しいんだけど……!」
_____Limit.