第6章 奇襲
【 烏野高校side 】
「………………凄い……。」
烏野高校バレー部の顧問である武田は、目の前で繰り広げられている試合に終始、感嘆の息を漏らしていた。
(……………これが………世界選抜……いや、その中でもトップと呼ばれる選手の実力………!……素人の僕でさえ、わかる程の圧倒的な技術力とパワー………それだけじゃない、全てが群を抜いている……!!)
そんな武田の横ではコート上の悠に熱い視線を向けながら、手に握ったままのタオルを胸に抱き締めている清水の姿。
今もコート上では"最強"の名を欲しいままにしている男が、菅原の上げたトスを誰よりも高い打点から圧倒的なパワーで烏野コートへと打ち込もうとしている。
ドダンッ
「_____インサイド………ギリギリ…っ!!」
悠によって打ち込まれたボールはネットすれすれの軌道を辿り、サイドラインの内側へと落下した。
コート上の選手たちは、愕然とした表情のまま、悠を見つめている。
「えっ……い、今のってどうしてあんな………」
_______Consternation.