第10章 緊張の10歩
その夜レーム帝国は国をあげて
盛大な宴を開いた
野外にある舞台には綺麗な格好をした人達が踊ったり歌ったりしている
テーブルからはいい香りが漂っていた
そんな中
「やーん、アオバ様ぁー」
「ずるいわよぉー」
「私もぉ」
綺麗な女に囲まれている一人の男
ではなく女
貴方「ははは、皆さん落ち着いて下さい」
(なんだこいつら、お前らはそういう趣味があるのか!悪いけど俺女だから!お前らのこと抱けねーから!ムーさんにでも頼んどけ!そんなイメージねーけど!)
視線を動かせばミュロンとトトの不機嫌そうな顔
なんだよ!助けろよ!
暫くして女性達をなんとか振り切れた
貴方「はぁ」
絶賛机に項垂れ中
貴方「つかれたぁ」
????「主役が随分疲れてるじゃねーか」
貴方「お前は元気だなぁ」
????「あんたと違ってモテる男は大変なのよ」
貴方「よくわかってるじゃねーか」
貴方「ラゾル」
ラゾル「まぁね」
貴方「ヤクートはまだ逆玉ファナリスねらってんのか?」
ヤクート「当たり前だ!」
貴方「そうかよ…」
ラゾル「アオバ本当に疲れてるわね」
ヤクート「一曲歌ったらどうだ?」
貴方「歌う…」
ラゾル「確かに!あたしもアオバの歌最後に聞きたいわ!ヤクートたまにはいいこと言うわね!」
ヤクート「たまには余計だ」
貴方「確かにレームで最後に歌うか!」
すぐさま舞台の準備が整った
アオバが歌うと言うことで
舞台の周りには沢山の人で埋め尽くされた
先程まで騒がしかったのが嘘のように
静かになっていた
貴方「うわぁ、すごい静かですねー」
アオバが舞台に上がり話始める
貴方「えーと、皆さんこんばんは!今日は僕のために宴を開いて、そしてお集まりいただきありがとうございます
それでですね、感謝の気持ちを込めて最後に一曲歌わせて頂きたいと思います」
スゥ
貴方「昨日も 今日も晴天で入道雲を見てた怠いくらいの快晴だ 徐に目を閉じて
ソレはどうも簡単に 思い出せやしない様で歳をとった現状に 浸ってたんだよ」