第8章 決断の8歩
貴方「ふぅ、半分でいいや」
パチパチパチパチ
????「上手いもんだな」
貴方「はぁ、人の歌盗み聞きなんていい趣味ですね」
後ろを振り返る
貴方「ムーさん」
ムー「ははは、盗み聞きなんてしてないぜただ偶然聞こえたんだよ」
貴方「、、、そーですか」
ムー「こんな夜中に何してるんだ?」
貴方「その言葉、そっくりそのままお返ししますよ」
ムー「俺はただ寝つけなかっただけだぜ。、、、俺は答えた。次はアオバ君のばんだぜ」
貴方「別に、、、考え事、、、ですよ」
俺は夜空を見上げて続けた
貴方「月も、綺麗ですしね」
ムーさんも隣に来て夜空を見上げる
ムー「、、、そうだな」
貴方「あの、今から独り言するので聞いても聞かなくてもいいですよ」
ムー「ああ」
俺はポツリ、ポツリと話し出した
貴方「そろそろ俺、この国出ようと思うんだよね。」
貴方「俺にはしなくちゃいけねー事があって、もっと、、、もっと強くならなきゃいけねーんだ」
貴方「、、、でも、、でも」
今までの思い出が蘇る
貴方「平凡な日々が楽しくて、、、幸せすぎて」
手放せなくなったんだ
貴方「皆の優しさに甘えてしまって」
一息つく
貴方「俺、ある人に皆や自分でさえも欺いてるって言われたんだー」
ムー「っ!」
貴方「その通りだよ。だから自分探しもしなきゃなんだー」
サァ
冷たい風が頬を撫でる
何故だか無性に寂しくなった
貴方「今の俺は空っぽだから」
頬を生暖かいものがつたう
ギュ
不意にムーさんに後ろから抱き締められていた
貴方「ムー、、、さん?」
ムー「我慢するな、泣きたいときは泣けばいい」
貴方「ムーさん格好いい事言いますね。でも、俺泣いてません。雨ですよ。」
ムー「そうか、、、。」
貴方「はい、、、。」
もう少し、もう少しだけ
この時間が続けばいいのに
ムー「アオバ」
貴方「なんですか?」
ムー「自分の思うようにすればいい。自分を甘やかすのも鍛えるのもな、、、。」
貴方「ムーさん、、、ありがとな」
ムー「良くわからん言葉遣いだな」