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【マギ】ジャーファルさんに愛されて。

第2章 出会い。


「ようやく着いた…」

ここに来るまで不眠不休で3日間…、本当に長かった。
師匠が誰かに殺されて、死ぬ間際に残した言葉を頼りに此処へ来た。
ここが、師匠の故郷のシンドリア…豊かな国。

「きゃあぁあ!! 誰か助けてッ」
「――――――…」

急な川に流されて溺れている幼い少女がいた。
周りの人たちは焦っている表情をしばがら、祈っている。
誰も助けに行こうとしない。
(…祈ってるだけじゃ、助けられないじゃないっ!!)

「どいてッ」

人ごみを掻き分けて、流されている少女に向かって走り出し、川に飛び込んだ。

人々の中にどよめきが起こり、ざわつき始めた。
少女の体を抱き寄せると、体は冷たく、震えていた。
怖がっている少女に「大丈夫だからね」と声をかけ、息を大きく吸って吐き出すように叫んだ。

「…汝は我の従者であるッ!!我に答えよッ」

出せる限りの青いルフを出し、
家々の影に向かって指を鳴らす。
すると、影は生きているように動き始め、私の体を川から引き上げた。
人がたくさんいる方とは反対側に降り、少女を下ろす。

「さぁ、お帰り」
「…ありがとう…!!」
「ばいばー…ぃ…っ?」

少女の背中を見送ろうとした瞬間、激しい頭痛が始まった。
立っていられずに、地面に手をついているのが…やっと。
千里眼である左目も、ずき…ずき…と心音に沿って疼く。

(まずい…足りない…ルフが足りないッ!!)

『お前はすぐにルフを使いすぎる…。俺がいなくなったらどうするんだ? すぐ死ぬぞお前』
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