第7章 久しぶりに見た…
真琴「久しぶりに見た…。」
彼らがいるバスケットコートを金網の外から眺めていた時、そんな言葉が自分の口から漏れた。
あんな楽しそうにバスケをやっている黄瀬くんを、あの時以来久しぶりに目にしたのだ。
今日の練習試合では感じられなかった、彼の本当の姿だと思う。
やっぱり黄瀬君はああでなくちゃ。
火神と黒子と黄瀬君という最強チームは、難なく相手を倒す。
まさに瞬殺___。
コート外で見ていた人たちにそのコートを譲り、彼らは金網の外に出てきたため、私はとっさに植木の後ろに隠れた。
彼らが話す言葉が聞こえる。
火神「オマエは!何を考えてんだ‼
あのままケンカとかになったら勝てるつもりだったのかよ⁉」
あぁなるほどね。
なんで5対3でやっているのかと思えば…。
黒子らしいといえば黒子らしい。
黄瀬「黒子っち、何見てるんスか?
猫っスか?犬っスか?」
黒子の行動に対してうんうんと自分の中で納得していたら、黄瀬君のそんな言葉が耳に入った。
え?
彼らに背を向けて植木の影に座っていた私は伏せていた顔を真上へと向ける。
黒子「大野君、そんな所で何をしているんですか?」
いつの間にか背後に彼が立っていました…。