第23章 新年会(前日)
そんなにくっついてた?
そう言えば、独り言を言うたびに誰かが笑ってた気がする…
見上げた先の大倉くんは、目にかかった私の前髪をゆっくり払おうとしてくれてて、その優しい眼差しにドキッとした。
カシャ!
安:「良いね~♪今の見つめあった感じ♪」
安田くんが、スマホで今の私と大倉くんを撮ったらしい。
恥ずかしくて、慌てて安田くんのスマホから削除しようと手を伸ばしたら、延長コードに足が引っ掛かって転びそうになった。
前にある机にぶつかる!と思って目を瞑っていたけど、どこにも痛みがない。
その代わりに目の前に、男の人の肩があって抱き止めてもらっていた。
大:「危ないなぁ、このコード!」
安:「淳子さん、大丈夫!?」
丸:「章ちゃん何してんのぉ?いたずらしたらあかんよ~」
大:「大丈夫?けがしてない?」
大倉くんが立たせてくれて、顔を覗きこんできた。
淳子:「だ、大丈夫。ありがとう…」
太輔くんといい、大倉くんといい、なんてタイミングで助けてくれるんだろう…
にしても、顔が近い…距離が近すぎる!ドキドキが収まらない…
大:「良かった♪」
大倉くんが、私の頭に手を置いて笑顔で見ている。
芸能人の方はやっぱり眩しくて、明日はもっとたくさんのイケメン達がここに集まるのかと思うと、私の心臓は心拍数のリミットが外れかけた。
村:「よっしゃ、ほな、今日は行こか!」
延長コードの部分を処理して、村上くんが言った。
渋:「明日頑張ろかぁ!」
渋谷くんが両手を高く伸ばして言うと
横:「うっしゃ!」
丸:「ほな、淳子さん。また明日ね~」
錦:「頑張ろな!」
みんなが会場の出入口の方へゆっくり歩いていく。
安田くんと大倉くんが、何かを話してて、二人が近づいてきた。
安:「淳子さん、さっきの写真送りたいから連絡先教えてくれへん?」
安:「オレのんさっきので充電切れてしもたから、たっちょんに教えといてくれやんかな?」
大:「交換してくれる?」
淳子:「良いけど…消しててくれたら良いで?写真」
安・大:「えっ!?」
淳子:「ん?」
安:「あぁ、うん…わかった…消しとくわ…」
村:「安~!大倉~!行くぞ~!」
まだ歩き出していない二人に村上くんが、叫んでる。