第22章 お好み焼き
大:「あぁ、うん。じゃあ、また…」
私にニコッと笑って、あきらの頭を撫でて、急いでみんなの元へ走って行った大倉くん。
あまりの出来事に、びっくりして動けなかった。
ピロリン♪
太輔くんからlineの返事が来て、ハッとした。
< 太輔→淳子 >
マジで!?何考えてんだ!あの社長!オレも手伝うよ♪
社長から新年会でお好み焼きを焼かされるから、当日一緒に行けないとlineしたら、来た返事。
"手伝う"なんて、優しいなぁ♪嬉しいなぁ♪けど、スケットが居るらしいから、大丈夫だ。
< 淳子→太輔 >
ありがとう♪スケットを入れてくれるらしいから大丈夫と思うよ。汗だくでお好み焼きを焼く姿を見せたくないけど(T-T)
< 太輔→淳子 >
(笑)どんな姿でも、大好きだよ♪
< 淳子→太輔 >
ありがとう♪早く会いたいね♪
ニヤニヤしながら、スマホから顔を上げると、傍に居たハズのあきらが居ない。
慌てて見渡して探すと、廊下の隅っこで、誰かと遊んでる。
近づくと、また、大倉くんと居た。
淳子:「あの!すいません。うちの子、迷惑かけてませんか?」
思いきって声をかけた。
笑顔でこっちを見た大倉くんは、
大:「イエイエ。僕が声かけたんです。可愛いですねぇ。あきらくん…」
そう言って、あきらの頭を撫でている。
あ:「ママ!お兄ちゃんがこれくれたよ!」
手にしてるのは、白い貝殻。
不思議に思って大倉くんを見ると、恥ずかしそうに少し顔を紅くして、
大:「こないだ、沖縄でロケした時に拾たやつが、ポケットに入ってたんで…」
大:「そんなもんですいません…」
軽く頭を下げてくれた。
淳子:「こちらこそ、いただいて良いんですか?」
大:「どうぞ、どうぞ…」
しゃがんであきらと良かったね!と話していると、社長室から、村上くん達が出てくる声がした。